【心のライフハック】過去の失敗で思い悩まないための2つの方法
- 2020年4月15日
- 読了時間: 6分

自分の放った言葉や行動を思い起こし、「自分が話してるとき、相手の反応が薄かったけどなんか変なこと言ったかな…」とか、「スピーチ上手くしゃべることができなかった、みんなに下手なスピーチだったと思われているだろうな…」などと悩んだことはありますか?
このように過去や現在の出来事について、繰り返し思い悩むことを”反芻(はんすう)”と言います。
今回は「insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力」(著:ターシャ・ユーリック)から、反すう撃退のための考え方(マインドセット)と具体的な方法を2つ紹介したいと思います。

1、反すうは無駄
本題に入る前に反すうについてもう少し掘り下げてみましょう。
反すうの思考では、自分の失敗や欠点、相手の反応などから感じたことを頭の中で繰り返し分析します。
しかしある研究によると、反すうに陥った人は、自分の感情を脳内で正しく認識できていません。これは必要以上に感情に浸ったり、相手の反応や言葉を単に頭の中で繰り返したりするだけで、感情の整理や問題解決の糸口を見つけるような行動には結びつかないからだと言われています。
また、よく反すうする人ほど、人生に対しての幸福度が低く、さらには「うつ病でなくても不安やストレスを高めやすい」とも報告されています。
このように、反すうは無益であるだけでなく、精神的な負担も大きいものです。この無駄な反すうを少しでも避けるために役立つ考え方と方法をこれから紹介していきます。

2、反すうを脱出する考え方
反すうに陥りそうなとき、どんな考え方で乗り切れば良いのでしょうか。これからご紹介するのは、物事を別の視点や捉え方で見ることで、反すうから脱出しようとする考え方です。
状況を客観的に評価する
反すう陥ると、人は自分という視点でしか物事を見なくなります。ここで、一つ例を出して考えてみましょう。
<Aさんの例>
「自分が人前でスピーチしている時噛んでしまって、しどろもどろしてしまった。耳は真っ赤になるし、そのとき感じた周囲の視線や雰囲気を頭の中で何度も思い出して、他人のスピーチなんて聞けたものじゃなかった。」
このときAさんは、自分と同じくらい、周りの人もAさんのミスを気にしている思ってしまいます。
しかし本当にそうでしょうか?確かに、Aさんが失敗した瞬間はみんな彼を笑いました。ただ、その後いつまでも彼の失敗をバカにしたり、会うたびに失敗のことを引っ張り出してくる人はいるでしょうか?
そんなことはないはずです。きっと周りの人は、数時間もすればAさんの失敗を忘れていることでしょう。
多くの場合、本人がいつまでも気にかけている失敗は、他人にとってみればどうでもいいことなんです。自分から見たらとても大きな失態でも、全体や他人から見たら小さな失態に過ぎないことがほとんどです。
「自分が思っているほど相手は気にしていない」ということを心に留めておきましょう。
失敗を学びと捉える
自分が失敗しても、自分の力不足を責めるのではなく、”失敗からどう学ぶか”を考えましょう。このマインドセットは1980年代に児童心理学者のキャロル・ドゥエックとキャロル・ディーナーによって提唱されたものです。
ドゥエックとディーナーは、小学五年生の子供たちを対象にある実験を行いました。
実験では、子供たちにいくつかの難しい問題を解かせます。その中で、子供たちはあまりに難しく、解けそうにない問題に出会います。その時、子供たちの反応には大きく二つのタイプがありました。
一方は、問題を解けない自分を責めたり、途中で問題を投げ出したりします。もう一方は、解けそうにない問題でも投げ出すことなく解き続けます。後者の子供たちは、失敗にくじけることなく、前に進もうとしているのです。
研究を進めると、後者の子供たちのほうが問題解決能力が高いということがわかりました。失敗は誰もがすることです。たとえ失敗して落ち込んだとしても、「この失敗から学ぶことはないか?」、「同じ失敗を繰り返さないためには何をすべきだろうか?」と考えて、前に進み始めることで、自分自身をステップアップさせることができます。
※補足
ちなみに、よりこのマインドセットについて知りたい方は、この実験に携わったキャロル・ドゥエックさんの「マインドセット『やればできる! 』の研究」(著:キャロル・s・ドゥエック)という本でさらに詳しく解説されています。

3、反すうを撃退するテクニック
さらにここでは、反すうを撃退するために役に立つテクニックを紹介します。少しでも反すうから抜け出せたら大きな前進です。感情に浸りたい自分を断ち切って、これから紹介する2つの方法を試してみてください。
一時停止
本書では一時停止という名前が付いていますが、簡単に説明すると、気晴らしをすることです。
反すうの原因となっている出来事に注意を向けるのではなく、掃除や友達と会話などをすることで別のことに注意を向けてしまうのです。実際に、うつ病の患者はテレビをつけっぱなしにしておくだけでも、症状が改善することがあるそうです。
”なぜ”ではなく”何”を考える
これは私自身が実践して、最も効果的だった方法です。やり方は簡単で、”WHY(なぜ)”ではなく”WHAT(何)”で問題を捉えるようにします。
「どうして自分はスピーチができないんだ」ではなく、「スピーチができない自分に何を感じているのか?」「次同じ失敗をしないようにするには何をしたらいいのか?」と考えることです。
反すうはしばしば「どうして?」という”WHY”で自分の感情を分析しようとします。そこで”WHAT(何)”で状況を捉えなおすことで、事態を前に進めていくのです。

3、まとめ
いかがだったでしょうか?反すうが無駄なものであると知れただけでも、大きな収穫であるはずです。反すうしそうになったり、反すうしていることに気づいたら、今回ご紹介した考え方と方法を、思い出してみてくださいね!
それでは、読んでいただきありがとうございました!
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この記事は以下の出典を元に執筆していますが、その内容は筆者の解釈によります。さらに詳細な内容は、出典元の資料をご確認ください。
出典
・insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力(著:ターシャ・ユーリック)
より深く知りたい方のために
・マインドセット『やればできる! 』の研究(著:キャロル・s・ドゥエック)
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